私には大好きなご近所さんがいる。
2軒となりのお家で、3兄弟のママさん。1番下のお子さんは息子の同級生。
いつも穏やかで、さっぱりしていて、近付きすぎない距離感がとても心地良い。
連絡を取り合う仲ではないけれど、ゴミ出しや散歩の途中で会うといつも立ち止まって話をする。
先日、そのママさんが育てたラベンダーの株を分けてくれた。
嬉しかった私は、息子に
「お花、嬉しいね。ママね、○○さん大好きなんだ。」と言った。
すると息子は数秒考えて、
「でも、本当は好きじゃないよね?」と言った。
時間が止まったように感じるくらい、ドキリとした。
私は日頃から息子の前で誰かを否定するようなことは言わないように気を付けている。
まして「好きじゃない」なんて絶対に言わない。
どうしてそう思うの?と聞くと、
「ママ、○○さんに会いたくなかったもん」と言った。
なんのことだかすぐには分からなかった。
でも、少し考えて思い出した。
数日前、寝坊した私は、子どもと一緒に部屋着のままゴミを出しに外へ出た。
ちょうどご近所さんがゴミ出しを終えて帰ってくるところだった。
いつもだったら声を掛けるけど、部屋着にボサボサ頭を恥ずかしく思った私は
「ママ髪の毛ボサボサだから恥ずかしいや」と言って、ご近所さんが家に入るのを待った。
その姿を見ていた息子は、「ママは○○さんに会いたくない」と理解したのだろう。
「ママは○○さんが好きじゃない」と思わせたまま、数日過ごしてしまったことが悲しかった。
好きじゃない人と笑いながら話す私を、息子はどんな気持ちで見ていたんだろう。
好きじゃない人から嬉しそうに花をもらう私を、どう思っていたんだろう。
私は、ご近所さんが大好きなこと、髪の毛がボサボサだったから恥ずかしいと思ったこと、
本当は会って話したかったことを息子に伝えた。
ゆっくり、ゆっくり、3歳になったばかりの息子が理解できるように。
「子は親の背中を見て育つ」というけれど、これほど痛感したことはない。
親の背中をみて、親の気持ちを想像して、育つのだと知った。
私は、わたしのような大人になりなさい!なんて言えるような立派な大人じゃない。
ただ、息子に胸を張って説明できないことは絶対にしないと心に決めた。
コメント